ミュージカル三昧 [観劇、映画]
「三昧」というほどではないけど、NY到着2週間で2つほどミュージカルを見てきました。
さすがにこのペースを維持するのは無理だろうけど、せっかくbroadwayまで地下鉄で10分という環境に住んでいるので、これからもどんどん見ていければと。
過去に見た経験も踏まえて、NYブロードウェイの良いと思うところ、悪いと思うところは以下のとおり。
〇良いところ
・本場だけあって、劇場の作りがしっかりしている。安すぎる席でない限り、ほぼ舞台すべてを見渡せる。音響効果も素晴らしい。
・歌とダンスの質が圧倒的。この点ではロンドンのはるか上を行くと思う。さすが世界中から最高の人材が集まってくるだけあって、舞台に立つ人間は想像もつかないような競争を乗り越えてきたのだろう。
・舞台の言語が英語。当たり前かもしれないが、日本では基本的に日本語訳のミュージカル(要するに四季のミュージカル)しか見られないことを考えると、いつでもどこでも英語のミュージカルを見られるのはとても嬉しい。四季の輸入版ミュージカルの再現性は最大限認めつつも、やはり歌詞を日本語にしてしまうとオリジナルにある韻もニュアンスもほぼ失われてしまうのが痛いところ。
×悪いところ
・チケットが取りにくい。当日劇場に行って良い席を取るのはかなり難しい、というかほぼ不可能。ロンドンだと、人気ミュージカルでも当日にわりと席が取れてしまうので、それと同じように考えて当日劇場に行ったらあっさりダメだった。
・チケットが高い(もちろん安い席もあるけど)。正面の方の席はは150ドルもする。20回行ったら30万円強…
--
(以下、多少のネタばれがあります)
先々週は、とりあえずのお約束ということで、Phantom of the Operaを見てきました。
こちらは評価低め。
登場人物全員の演技、感情表現が大げさすぎて、見ている側がかえってひいてしまう。
Christineがただの尻軽女にしか見えないような演技に興ざめ。
ロンドン版は素晴らしかったんだけどなあ…
やっぱりアメリカ人にはあれくらい大げさな感情表現じゃないとわかりにくいということなんだろうか。
で、先週末は、Wicked。
これは本当に素晴らしかった。
最初から最後まで鳥肌立ちっぱなし。
日本で四季版は見たけど、(四季版がとても頑張っていることは認めつつ)残念ながら比べ物にならない。
ダンスや歌の質、舞台の迫力いずれも圧倒的。
完全にはまった。
NYにいる間に、通い倒しそうな予感。
--
(以下ネタばれ強)
それにしても、Wickedの元ネタの、「Wonderful Wizard of Oz (オズの魔法使い)」は、本当にアメリカ人にとってはおとぎ話として、心の一番深いところに刻み込まれているのだなあと。
Wickedは、Wonderful Wizard of Oz を知らないと、ほとんど話の内容が理解できません。
Galinda改めGlindaが誰で、どういう人なのか知らないと、冒頭部分から理解不能。
もちろん、ストーリー全体もオチも理解できない。
なぜElphabaが「西の魔女」かもわからないし、Elphabaが「死体からスリッパを奪って履くなんて信じられない」と怒る理由(そこで笑いが起きる理由)なんかもわからないでしょう。
他にも、第2幕で、Elphabaが実家に帰ってきた理由を聞かれて、「There is no place like home」と答えるところで観客から笑いがおきるところとかも、「観客のほとんどがWonderful Wizard of Oz を(英語で)読んだことがある人」という前提で初めて成立する計算です。
(きっと他にもこういう部分っていっぱいあったんだろうなあ。さすがにこのあたりの細かい話になると2割くらいしかわかかりませんでした…)
Wonderful Wizard of Ozが書かれたのは、1900年。
アメリカの独立記念日が1776年であることを考えると、国が成立してから今に至るまでの期間のほぼ半分にわたって、アメリカ人に読まれ続けている作品。
もはや古典として、これからも語り継がれていくのでしょう。
そして、Wonderful Wizard of Ozが語り継がれる限り、Wickedも語り継がれる。
この作品はそれだけのパワーを持っていると思います。
さすがにこのペースを維持するのは無理だろうけど、せっかくbroadwayまで地下鉄で10分という環境に住んでいるので、これからもどんどん見ていければと。
過去に見た経験も踏まえて、NYブロードウェイの良いと思うところ、悪いと思うところは以下のとおり。
〇良いところ
・本場だけあって、劇場の作りがしっかりしている。安すぎる席でない限り、ほぼ舞台すべてを見渡せる。音響効果も素晴らしい。
・歌とダンスの質が圧倒的。この点ではロンドンのはるか上を行くと思う。さすが世界中から最高の人材が集まってくるだけあって、舞台に立つ人間は想像もつかないような競争を乗り越えてきたのだろう。
・舞台の言語が英語。当たり前かもしれないが、日本では基本的に日本語訳のミュージカル(要するに四季のミュージカル)しか見られないことを考えると、いつでもどこでも英語のミュージカルを見られるのはとても嬉しい。四季の輸入版ミュージカルの再現性は最大限認めつつも、やはり歌詞を日本語にしてしまうとオリジナルにある韻もニュアンスもほぼ失われてしまうのが痛いところ。
×悪いところ
・チケットが取りにくい。当日劇場に行って良い席を取るのはかなり難しい、というかほぼ不可能。ロンドンだと、人気ミュージカルでも当日にわりと席が取れてしまうので、それと同じように考えて当日劇場に行ったらあっさりダメだった。
・チケットが高い(もちろん安い席もあるけど)。正面の方の席はは150ドルもする。20回行ったら30万円強…
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(以下、多少のネタばれがあります)
先々週は、とりあえずのお約束ということで、Phantom of the Operaを見てきました。
こちらは評価低め。
登場人物全員の演技、感情表現が大げさすぎて、見ている側がかえってひいてしまう。
Christineがただの尻軽女にしか見えないような演技に興ざめ。
ロンドン版は素晴らしかったんだけどなあ…
やっぱりアメリカ人にはあれくらい大げさな感情表現じゃないとわかりにくいということなんだろうか。
で、先週末は、Wicked。
これは本当に素晴らしかった。
最初から最後まで鳥肌立ちっぱなし。
日本で四季版は見たけど、(四季版がとても頑張っていることは認めつつ)残念ながら比べ物にならない。
ダンスや歌の質、舞台の迫力いずれも圧倒的。
完全にはまった。
NYにいる間に、通い倒しそうな予感。
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(以下ネタばれ強)
それにしても、Wickedの元ネタの、「Wonderful Wizard of Oz (オズの魔法使い)」は、本当にアメリカ人にとってはおとぎ話として、心の一番深いところに刻み込まれているのだなあと。
Wickedは、Wonderful Wizard of Oz を知らないと、ほとんど話の内容が理解できません。
Galinda改めGlindaが誰で、どういう人なのか知らないと、冒頭部分から理解不能。
もちろん、ストーリー全体もオチも理解できない。
なぜElphabaが「西の魔女」かもわからないし、Elphabaが「死体からスリッパを奪って履くなんて信じられない」と怒る理由(そこで笑いが起きる理由)なんかもわからないでしょう。
他にも、第2幕で、Elphabaが実家に帰ってきた理由を聞かれて、「There is no place like home」と答えるところで観客から笑いがおきるところとかも、「観客のほとんどがWonderful Wizard of Oz を(英語で)読んだことがある人」という前提で初めて成立する計算です。
(きっと他にもこういう部分っていっぱいあったんだろうなあ。さすがにこのあたりの細かい話になると2割くらいしかわかかりませんでした…)
Wonderful Wizard of Ozが書かれたのは、1900年。
アメリカの独立記念日が1776年であることを考えると、国が成立してから今に至るまでの期間のほぼ半分にわたって、アメリカ人に読まれ続けている作品。
もはや古典として、これからも語り継がれていくのでしょう。
そして、Wonderful Wizard of Ozが語り継がれる限り、Wickedも語り継がれる。
この作品はそれだけのパワーを持っていると思います。
大昔ですが、NYでCatsとライオンキングは見ました。(今はいずれもやっていないですよね?)
チケットは、確か専用のブースみたいなのがタイムズスクエアにあって、そこでも買えた記憶ですが、そこでもいい席はないですかね?
by 凸 (2008-07-01 20:23)
>凸様
Catsはさすがにやっていませんが、Lion Kingはまだやっていますよ。
Lion Kingはいまだに大人気で、なかなかチケットが取れません。
tktsは確かにありますが(今は改装中で、マリオットホテルの1階に仮移転中です)、人気のミュージカルはほとんど良い席が売られていません。
また、tktsでは基本的に当日にしかチケットを買えないので、売切れやそもそも売りに出されない可能性など、「当日になるまで本当に見られるかどうかわからない」という不確定要素が強いです。
これって予定が立てられなくなるので結構困るんですよね。
「NYに来た記念に、席を問わず、また演目を問わずBroadwayでミュージカルが見られれば良い」というのであればともかく、特定の演目をきちんと鑑賞したいのであれば、やはりチケットボックスもしくは正規代理店で買うか、1か月先とかの席を安売りサイトで買うかのどちらかになります。
まあ、逆にいえば、お金さえ出せば良い席を2、3日前に押さえることも可能ということで、昔来た学生のころとは懐具合も違いますし、安さよりも良席優先で、これからも通いつめたいと思います。
by Kotty (2008-07-02 22:42)
NY生活満喫されているようで、よかったです。
急激な変化に体調を崩されていないか、心配していました(笑)
私は小学校をアメリカで過ごしましたが、Wonderful Wizard of Ozの映画(映画だったと思うのですが・・・)を毎年のようにクラスで見ていた記憶がありますよー。
NY、うらやましいです☆
by デイジー (2008-07-08 23:14)
>デイジー様
コメントありがとうございます。
NYも楽しいですが、パリもとってもうらやましいですよ。
インドと違い、NYでは体調はすこぶる良いです。
日本からインドに帰ったら、いつも3日後くらいから体調を崩していたのとは大違いです(笑)
by Kotty (2008-07-09 08:03)